IaaSクラウドのサーバーベンチマーク比較
(2016.9.26追記)
このときのベンチマークテスト結果は2013年時点のデータです。
2016年9月にIaaSクラウド7社のベンチマークテストを行った記事もありますので、よろしければそちらもご参照ください。
・IaaSクラウドサーバーのベンチマーク(2016年9月版)
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20160921/iaas_cloud_benchmark_201609.html
(2016.9.26追記ここまで)
ディスクベンチマークの記事に続いて。
2013年、いくつかのIaaSクラウドを使う機会があったので、メモリ1GB-7GBあたりのサーバーの、unixbenchによるサーバーベンチマーク結果を比較します。
ベンチマークをとったIaaSクラウドは下記のとおりです。
- Amazon Web Services (AWS)
- IDCフロンティアクラウド セルフタイプ
- Cloudn
- さくらのクラウド
- さくらのVPS
※「さくらのVPS」はクラウドではなくVPSサービスですが、安定しており、コストパフォーマンスに優れたサービスですので比較対象として載せました。
unixbench
unixbenchは、サーバーの総合的なベンチマークツールです。
1995年頃のSun SPARKstation 20-61の性能を10.0としてスコアを算出します。
テスト内容的にCPUの処理性能に依存すると言われています。
(参考)IDC Frontier Engineers’Blog UnixBenchでベンチマーク
http://www.idcf.jp/blog/cloud/unixbench/
ベンチマークの条件
- 2013年4月~11月に計測
- OSはCentOS 6.4もしくはAmazon Linux 2013.(03,09) EBS-Backed
- サーバー設定は初期状態から、ユーザー作成、スワップ領域作成などの基本設定を行った程度
- Web, DBサービスは起動していない状態
ベンチマークの結果
各IaaSクラウドのunixbench index scoreは下図のとおりです。
single cpuはCPU1コアのみ使用した場合の結果、multi cpuはサーバーの全CPUコアを使用した場合の結果を表します。
考察
さくらのクラウド > IDCフロンティアクラウド, さくらのVPS > Cloudn > AWS
という結果となりました。
さくらのクラウド、さくらのVPS、IDCフロンティアクラウドは、サーバー単体の料金が比較的安価なので、CPU性能のコストパフォーマンスは非常に高いといえます。
AWSについては、最近「EC2インスタンスはm1,c1シリーズよりもc3シリーズを使おう」と言われています。
実際、今回のunixbenchのスコアは m1.mediumに比べてc3.largeは約2倍、m1.largeに比べてc3.xlargeは約2倍の値となっています。
これらはメモリがほぼ同等、CPUは新しい世代かつコア数が2倍で、オンデマンドインスタンスの料金は約10%増える程度ですので、c3シリーズはやはりおすすめといえるでしょう。
(参考)
yoshidashingo Amazon EC2 で今すぐ C3 を使い始めよう(東京リージョンLinux編)
http://yoshidashingo.hatenablog.com/entry/20131129/1385685987
ディスクベンチマークと同じことですが、ベンチマークのスコアがいいからよい、悪いからダメ、ということではなく、各サービスのさまざまな特徴のうちのひとつとして参考にしていただければと思います。
(関連記事)
・IaaSクラウドサーバーのベンチマーク(2016年9月版)
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20160921/iaas_cloud_benchmark_201609.html
・JAWS-UG札幌で発表しました。~IaaSクラウド比較’14
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20140414/jaws-ug_sapporo_iaascloud14.html
・IaaSクラウドのdbenchディスクベンチマーク比較
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20131203/cloud_disk_benchmark.html
・AWS SSDベースEBSのディスクベンチマーク
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20140618/aws_ssd_ebs_disk_benchmark.html