IDCFクラウドRDBサービスの廃止について思うこと。

(2018.7.23追記)
その後、IDCFクラウドのRDBは、2018年6月に新たな形でリリースされました。

・IDCF Cloud RDB
https://www.idcf.jp/cloud/rdb/

新しいRDBサービスを使ってみて気づいた点等を、以下の記事にまとめました。

・IDCFクラウド RDBを使ってみた
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20180718/idcfcloud_managed_rdb.html
(2018.7.23追記ここまで)

先日、IDCFクラウドより「IDCFクラウドRDB提供終了のお知らせ」のメールが届きました。
2016年08月31日をもって提供終了とのこと。

IDCFクラウドのマネージドRDBサービスであるRDB機能は、2015年7月にリリースされたのですが、トラブルがあったのかそのうち新規申込が停止され、そのまま申込再開することなく、提供終了となりました。

IaaSで、小規模のサーバー1台構成ではなく、昔ながらのロードバランサー+Webサーバー+DBサーバーという複数台構成の場合、スキルのある運用担当者が複数人そろっていない限り、Amazon RDSのようなマネージドRDB機能が必須と考えます。
サーバーレス機能をもつわけではないIDCFクラウドにとっては、マネージドRDB機能がないことが短所であり、この点がAWSに比べてIDCFクラウドを推しにくい原因と思っていました。

そんなときに待望のマネージドRDB機能リリースということで、僕も使い勝手を確認したりベンチマークテストを実施してみたりしたのですが、結局本番環境では使うことはありませんでした。

Percona XtraDB Clusterを採用して、マルチマスター機能のあるRDBを提供というのは他社にはない方向性で面白かったのですが、新規申込を停止している状態では、お客様におすすめできません。
また、sysbenchでベンチマークテストを行ってみるとデッドロックが発生したんですね。
ベンチマークの書き込み頻度が多すぎるのかもしれないけど、通常のMySQLやAWS RDS for MySQLでは発生しない現象で、本番環境では書き込みはシングル、読み込みはマルチという使い方しかできないだろうな、とは思っていました。

(参考)
・IDCFクラウドRDBとAWS RDS, Auroraのベンチマーク
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20150824/idcf_rdb_aws_aurora_benchmark.html

サービス廃止はとても残念ですが、品質・性能・コストの面でどうしても解決できない問題があり、Percona XtraDB Clusterはあきらめた、ということなのでしょう。

IDCFクラウドのお知らせメールによれば、新しいデータインフラサービスの開発のための調査・検討に着手しているとのこと。
IDCFは、以前アーキテクチャを大刷新して今のIDCFクラウドをリリースして使い勝手やコストパフォーマンスが大きく向上したこともあるので、マネージドRDB機能も、はるかによくなったものがリリースされるものと期待します。
マルチマスター機能はなくてもいいです(笑)
AWSのLimited Previewのように、β版としてコアユーザーに評価してもらってから大々的にリリースするとよいのではないですかね。

(関連記事)
・IDCFクラウド RDBを試してみた
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20150731/idcfcloud_rdb.html

・IDCFクラウドRDBとAWS RDS, Auroraのベンチマーク
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20150824/idcf_rdb_aws_aurora_benchmark.html
 

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