・さくらのVPSからさくらのクラウドへのマイグレーション機能(ベータ)をリリースしました
https://cloud-news.sakura.ad.jp/2013/07/17/vps-diskimage-import/

というニュースを見て、7月末に実際に試してみました。

移行元のサーバー

このサイトを載せているサーバー。
プランは「さくらのVPS(v3) 2G　ディスク200GB」。
ディスクはSSDではなく標準のものです。

手順

手順としてはほぼ上記サイトの記載どおりでマイグレーション（複製）できました。

200GBとディスクサイズが大きいため、「VPSディスク」からクラウドの「アーカイブ」へのコピーには2時間30分ほど要しました。

ディスクサイズは200GB以上あるため、サーバー作成時に、ディスクソースとして作成されたアーカイブを指定する際、「SSD」ではなく「標準プラン」とする必要があります。

v3から移行したときは、「ディスクの修正」でエラーするので、コンソール画面からホスト名(/etc/sysconfig/network)、ネットワーク情報(/etc/sysconfig/ifcfg-eth0)、DNS(/etc/resolv.conf)の各設定を変更しました。
変更後、再起動すると無事起動し、SSHでログインすることができました。
簡単ですね！

注意点

ディスクベンチマークツールdbenchで計測したところ、値がVPSのときの約1/8と大きく性能が落ちてしまいました。

これはどうやら、「さくらのクラウド」の標準ディスクの性能によるもののようで、「さくらのVPS」からマイグレーションしたサーバーではなく、新規で標準ディスクを指定して起動したサーバーでもほぼ同じ値となりました。
ちなみに「さくらのクラウド」のSSDであれば、「さくらのクラウド」の標準ディスクの3倍ぐらいの値となります。
それでも「さくらのVPS」よりも遅いです。

「さくらのクラウド」のSSDディスクは100GB単位なので、ディスクイメージを丸ごとコピーするような場合、100GBを超えるとSSDは使用できずに標準ディスクとなってしまうのですね。

「さくらのVPS」でディスク200GBのプランを使用していて、ディスク性能が問われるようなシステムの場合は、移行に伴いシステムのパフォーマンスがダウンしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

（2014.4.11追記）
「さくらのクラウド」は、2014年4月10日に、SSDディスクの250GBと500GBのプランをリリースしました。
ですので、「さくらのVPS」のほとんどのプランのサーバーが、「さくらのクラウド」のSSDディスクに移行できるようになりました。
（2014.4.11追記ここまで）

というか、「さくらのVPS」はディスクの性能がよすぎるのです（笑）

「さくらのVPS」と「さくらのクラウド」のdbenchによるディスクベンチマーク値について

僕が何台か計測した限り「さくらのVPS」では、標準ディスクでもSSDでもほぼ同じ値です。
ですが、「さくらのクラウド」では、標準ディスクとSSDで3倍程度の違いがあります。

ややこしいので、さくらのVPSの値を100としてまとめます。

	標準ディスク	SSD
さくらのVPS	100	100
さくらのクラウド	12	40

※2013年7月末時点。

ちなみに、「さくらのクラウド」の標準ディスクと、AWSのm1.smallやm1.mediumはだいたい同じぐらいの値でした。
ですので、AWSのディスク性能でも問題ないシステムでは、「さくらのクラウド」の標準ディスクでも問題なく動作するでしょう。

「さくらのVPS」や「さくらのクラウド」でdbenchを実行すると、ディスクタイプが同じであれば、だいたいいつの時点で計測しても、ほぼ同じ値となります。
サーバーのCPU、メモリスペックのプランを変更してもあまり変わりありません。
これは他のクラウドサービスには見られない現象で、実はすごいことじゃないかと思います。
ベストエフォートにするのではなく、パフォーマンスを安定させるために、ストレージネットワークのところでうまく制限をかけてあるんじゃないかと想像します。

まとめ

• 「さくらのVPS」から「さくらのクラウド」への移行は簡単！
• 「さくらのVPS」でディスクサイズが100GBを超える場合、「さくらのクラウド」へ移行することでディスク性能がわりと大きくダウンするので、注意が必要です。

※ディスク性能については、2013年7月末に計測した値です。今後改善されるもしれませんし、あるいは、「さくらのクラウド」で、100GBより大きなサイズのSSDディスクがリリースされるかもしれません。