さくらのクラウドでバックアップアーカイブから復元する際にサーバーのグローバルIPアドレスを引き継ぐ方法

isdはじめに

さくらのクラウドでは、サーバーの定期バックアップとして、「自動バックアップ」という機能が用意されています。

・さくらのクラウド 自動バックアップ – Sakura Cloud Docs
https://manual.sakura.ad.jp/cloud/appliance/autobackup/index.html

この機能を使用すると、バックアップ実行時点のディスクイメージが「アーカイブ」として保存されます。
「アーカイブ」は、AWSでいうところの「スナップショット」ですね。

※アーカイブは、手動でも作成できます。

「稼働中のサーバーに何らかの不具合が生じたため、バックアップ時点の状態に復元(リカバリー)したい」
というケースを考えてみます。

この場合、アーカイブから新しくサーバーを作成すれば、バックアップ時点の状態の復元サーバーが起動しますが、インターネット接続をデフォルトの「共有セグメント」として作成すると、新しいグローバルIPアドレスが作成されます。

AWSのElasticIPのように、復元サーバーのグローバルIPアドレスを、元のサーバーのグローバルIPアドレスと付け替えることができれば、復元作業は完了となります。
ですが、さくらのクラウドでインターネット接続をデフォルトの「共有セグメント」とした場合、サーバーに直接、さくらのクラウドが配布するグローバルIPアドレスが付与されるため、グローバルIPアドレスの付け替え、変更はできません。

※使ったことはありませんが、インターネット接続に「共有セグメント」ではなく「ルーター+スイッチ」を使用すれば、サーバーのグローバルIPアドレスの付け替えができそうです。

では、グローバルIPアドレスを維持しつつ、サーバーをバックアップ時点の状態に復元するにはどうすればよいのでしょうか?

isd復元手順

グローバルIPアドレスを維持しつつ、サーバーをバックアップ時点の状態に復元するには、「サーバー」をそのまま使用して、「ディスク」を付け替えることで実現できます。

イメージは以下のような感じです。


 

手順としては、以下となります。

  1. アーカイブから新しいディスクを作成
  2. サーバーをシャットダウン
  3. サーバーのディスクを取り外し
  4. サーバーにアーカイブから作成した新しいディスクを接続
  5. サーバーを起動
  6. 動作確認
  7. (必要に応じて)サーバーから取り外した古いディスクを削除

以下、さくらのクラウドのコントロールパネルで操作します。

1. アーカイブから新しいディスクを作成

メニューの「ストレージ」>「ディスク」で、「作成」から新しいディスクを作成します。
「ディスクソース」として、「マイアーカイブ」のうち、復元したい自動バックアップのアーカイブを選択します。


 

ディスク作成処理が完了するのを待ちます。

2. サーバーをシャットダウン

サーバーのディスクを付け替えるには、サーバーを停止する必要があるため、サーバーを選択して「シャットダウン」します。

3. サーバーのディスクを取り外し

サーバーを選択して「ディスク」タブを指定、ディスク情報の右端の三角メニューから「取外し」を指定します。


 

取り外しが完了すると、ディスク情報の表示がなくなります。

4. サーバーにアーカイブから作成した新しいディスクを接続

引き続き、サーバーの「ディスク」タブで、「接続」ボタンをクリックします。


 

接続するディスクの指定画面で、1.で作成した新しいディスクを選択します。


 

サーバーにディスクが接続されたことを確認します。


 

5. サーバーを起動

サーバーのディスク付け替えが完了したので、サーバーを「起動」します。
サーバーのステータスが「起動(緑色)」となるのを待ちます。

6. 動作確認

サーバーが正しく復元され、これまでと同じグローバルIPアドレスでSSH接続できることや、バックアップ時点で稼働していたWebサイト、DBサーバーなどのサービスが正しく動作することを確認します。

7. (必要に応じて)サーバーから取り外した古いディスクを削除

動作確認後、サーバーから取り外した古いディスクが不要であれば、削除します。

以上で、バックアップしたアーカイブからのサーバー復元作業は完了となります。

isdおわりに

さくらのクラウドで稼働しているサーバーについて、グローバルIPアドレスを維持しつつ、サーバーをバックアップ時点の状態に復元する手順をまとめました。

この手順は、さくらインターネットのドキュメントほか、インターネット上に情報が見つけられなかったので、実験してまとめたのですが、このブログ記事を書いている途中で、「さくらのナレッジ」で同様の記事が公開されました。

・さくらのクラウドでバックアップからサーバを復元する方法
https://knowledge.sakura.ad.jp/35584/

手順としてはそちらのほうがわかりやすいですし、サーバーが複数のディスクを接続・使用している場合の注意点も記載されているので、ご確認いただければ。

この記事を見つけて、同じような記事を書かなくてもいいか、とも思いましたが、
「この手順でグローバルIPアドレスを維持できる」
ということも大きなポイントだと思うので、僕の記事も公開することにしました。
 

(関連記事)
・さくらのクラウドで、プライベートネットワークのデータベースアプライアンスのphpMyAdminにアクセスする
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20240129/sakura-cloud-db-appliance-phpmyadmin.html
 

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