はじめに
最近、Microsoft Azureを使用したサーバー構築を行いました。
Azureは、10年ほど前に無料利用クーポンで少し触ってみたぐらいでほとんど経験がありませんでした。
今回は、SQL Server 2022 on Windows Server 2022の仮想マシン(VM)を1台構築するだけだったのですが、それでも意外と戸惑うことが多かったです。
Azureの仮想マシン構築について、気づいたことや引っかかったことを、AWSとの違いを踏まえつつ、2回に分けてまとめます。
気づいたこと
サブスクリプションの概念
Azureには、支払い情報を区別する「サブスクリプション」という単位があります。
1アカウント内で、複数のプロジェクトを運用する場合、AWSだと「コスト配分タグ」という機能を利用すれば同じようなことができますが、各リソースにタグをつけるのは大変ですし、機能によってはうまく配分できないものもあります。
リソースを作成するたびに、サブスクリプション(とリソースグループ)を指定する手間がありますが、1アカウント内で複数プロジェクトの料金を区別できるので、これはこれで便利だと思います。
※Google Cloudでは、同じような「プロジェクト」という単位がありますね。
Azureのユーザー(AWSのIAMユーザーに相当)についても、「サブスクリプション」に対する権限(ロール)設定が必要となります。
サブスクリプションやリソースグループの説明は、以下の記事がわかりやすいです。
・Azureサブスクリプションとは?考え方と作成・確認・解約方法 – NTT東日本 クラソル
https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-90.html
高速ネットワークの有効化
Azure VMには、ネットワークパフォーマンスを向上させる「高速ネットワーク」というオプションあり、追加料金なしで利用できます。
(参考)
・高速ネットワークの概要 – Azure Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-network/accelerated-networking-overview
デフォルトでは無効となっているので、有効にしたほうがよいでしょう。
また、有効にしたときは、高速ネットワーク用のネットワークアダプターが存在し、そのネットワークアダプターを介してパケットが流れていることを確認しがほうがよさそうです。
Windows Serverの日本語化
Azure VMのイメージとしては、Windows Server日本語版は用意されておらず、デフォルトでは英語版となっているため、手作業で日本語化する必要があります。
(参考)
・Azure 仮想マシンで Windows Server 2022 の日本語化
https://www.nobtak.com/entry/azimgwin2k22jp
OS内のリソース監視設定
OS内のリソース監視機能として、Azure Monitor Agent が用意されています。
Azureポータル画面で有効化すると、自動的にエージェントがVM内のOSにインストールされ、
- CPU使用率
- メモリの空き容量
- ディスク使用率
- ディスクIO
といった、OS内でしか取得できないメトリクスが、ポータル画面で見られるようになります。
ポータル画面の操作で、OS内にソフトウェアがインストールされるのは不思議な感じがしましたが、AWSでいえば、SSM の Run Command で CloudWatch Agent をインストールするのと同じようなしくみなのでしょう。
ボリューム拡張作業が必要
Azureで、Marcketplace のイメージからVMを作成したとき、OSディスクはデフォルトでは、127GiBとのことです。
(参考)
・Windows 仮想マシンに接続されている仮想ハード ディスクを拡張する方法 – Azure Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/windows/expand-disks
この仕様のせいか、今回は、VMの作成時に、ディスクサイズは 256GB を指定したのですが、Windows Serverにログインしてみると、126GB しか見えていませんでした。
手作業で「ボリュームの拡張」を実施する必要があります。
(次の記事 に続きます。)