ニフティクラウドを触ってみた

僕はいろいろなIaaSを比較するため、各社のアカウントを取得してコントロールパネルの操作感や性能を確認しているのですが、ニフティクラウドだけは法人IDが必要なので、フリーランスになってからはなかなか使用(試用)できませんでした。
ですが、展示会でニフティの方に「個人事業主でも法人IDを取得してニフティクラウドを使える」ということを教えていただきました。

・ニフティクラウドお申込み 個人事業主の方へ
http://cloud.nifty.com/flow/index_p.htm

無事アカウントを取得できたので、2011年に前職で試用して以来、3年ぶりにニフティクラウドを触ってみた感想とベンチマークの結果をまとめます。
ちなみに、今ならアカウント取得後、3ヶ月6万円分が無料で使えます。
ありがとうございます。

isdニフティクラウドの感想

機能の詳細や料金は公式サイトを参照してください。

・ニフティクラウド
http://cloud.nifty.com/

AWSのEC2に相当するサーバー機能のほか、AWSの各機能に相当する以下の機能があります。

AWS S3 RDS Route 53 SQS SES CloudFormation
ニフティクラウド クラウドストレージ RDB(冗長化はシングルゾーンのみ) DNS メッセージキュー ESS Automation

 

おもにサーバー機能を触ってみて、以下の点は、ほかのIaaSと比べて気になりました。

  • SSHキーのアップロードができない。ニフティクラウド内で作成する必要がある。
    • →既存のキーを使いまわせないのは痛い。しょうがないので、サーバー作成時に指定できる起動スクリプトで、ユーザー作成&鍵を投入するようにした。
    • →(2015.5.29追記)2015年5月のコントロールパネルリニューアルに伴い、SSHキーをアップロードできるようになりました。
  • 各種名前入力は英数のみ。記号が使えない。
    • →ハイフンやアンダースコアぐらいは使いたい。
  • DNSリゾルバーが用意されていない。自前で用意する必要がある。
    • →(少なくともCentOSでは)テンプレートOSであらかじめDNSリゾルバーとしての設定はされているが、サーバー上で余計なサービスは起動したくない。
  • プライベートLANは有料。10,000円/月。
    • →当初は50,000円/月だったので安くはなったが。。
  • カスタマイズイメージの作成がすぐに実行されない。
    • 指示してから実行開始、完了するまで1時間30分かかった。
  • ゾーンごとに利用できるサービスに制限がある。
    • RDB, ファイアウォール, フラッシュストレージなど。
    • →ゾーンごとにネットワークやストレージのアーキテクチャーが異なる?
  • 従量課金がなく月額課金のみのサービスが多い。
    • テンプレートイメージ保存, プライベートLAN, RDB, DNS, メール送受信, メッセージキューなど。
    • →機能を試用、性能評価しにくい。無料利用分で試せばいいのだけれど、やっぱり躊躇してしまう。
  • ディスクイメージを定期的にバックアップする機能がない。
    • →テンプレートイメージ保存は1件、ひと月ごとに料金がかかるし、ワンデイスナップショットは基本的には1日だけバックアップするための機能。
  • 支払いはクレジットカード払いができず、銀行振込のみ。
  • 全体的に料金が高い。

↑「ユーザーにはあまり影響がないけど構築・運用管理のうえで少し不便」な点が多いですね。

以下は、他のIaaSと比べてよいと思った点です。

  • 起動時に実行するスクリプトを指定できる。
  • 自動フェイルオーバー機能がある。
  • 操作ログが見える。
  • 独自の日本語GUI。
  • 日本国内に東日本、西日本の2箇所のリージョンがある。
  • サーバー性能が抜群によい(後述)。
  • オブジェクトストレージ, RDB, DNS, メール送受信, メッセージキュー, VPNなどのサーバー機能以外のサービスや、mBaaS, PaaSなどアプリケーション環境寄りのサービスを積極的に追加している。
  • 24時間365日のトラブル対応電話窓口がある。

isdニフティクラウドのサーバー性能

ローエンドのsmall2(1vCPU, メモリ2GB)、medium4(2vCPU, メモリ4GB)の2つのサーバータイプについて、ベンチマークをとってみました。
リージョンは東日本、ゾーンはeast-13です。

サーバー性能(CPU性能)unixbench

サーバーベンチマークツールunixbenchの実行結果は以下のとおりです。

single cpu multi cpu
small2 1vCPU, メモリ2GB 1558.1
medium4 2vCPU, メモリ4GB 1560.1 2652.2

 

2014年4月時点のほかのIaaSと比べると、さくらのクラウドとほぼ互角でよい値であることがわかります。

unixbench比較

ディスク性能 dbench

ディスクベンチマークツールdbenchの実行結果は下記のとおりです。

dbench 1 dbench 4
small2 1vCPU, メモリ2GB 281.005 MB/sec 492.989 MB/sec
medium4 2vCPU, メモリ4GB 245.462 MB/sec 625.839 MB/sec

 

2014年4月時点のほかのIaaSと比べると、ずば抜けてよい値であることがわかります。
安い物理サーバーのRAID 1だとこれより低い値の場合もあります(RAIDコントローラーの性能にもよりますが)。

dbench比較

isdまとめ

3年前に触ってみたときの印象は「ほかのIaaSに比べて料金が高いけど性能がよい」というものでしたが、今回触ってみても、やはりその印象は変わりません。

細かい気になるところをたくさんあげましたが、長年のインターネットサービス運営実績のあるニフティによる国産クラウドということで安心感がありますし、積極的に機能が追加されているのも好印象ですね。

「料金が高い」ということについては、この10月に従来比27%~50%の価格の新しいサーバータイプ「Type-e」がリリースされるそうです。

・ニフティクラウド サービス・機能大幅強化と有人監視提供開始のお知らせ
http://cloud.nifty.com/cs/catalog/cloud_news/catalog_140902001864_1.htm

新しいサーバータイプがリリースされたら、またベンチマークをとってみたいと思います。

(関連記事)
・IaaSクラウドのサーバーベンチマーク比較
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20131204/cloud_server_benchmark.html

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