CentOSからAlmaLinuxに移行してみた。

先日、CentOS サーバーの Rocky Linux への移行について記事を書きました。

今回は、CentOS 8 サーバーを Alma Linux 8 に移行してみて、マイグレーションツールの実行時に発生した現象やわかったことなどを記載します。

※CentOS 8 から Alma Linux 8 への切り替え手順については、マイグレーションツールを実行するだけで特に難しくはなく、既にネット上に多くの情報があるので、詳しくは記載しません。

isd移行対象サーバー

サーバーインスタンスは、IDCFクラウドの仮想マシンS1(1vCPU, メモリ1GB)です。

※先日 CentOS 8 から Rocky Linux 8 に移行した際、移行直前に CentOS 8 サーバーのバックアップを取得しました。今回はそのバックアップから Alma Linux 移行検証用 CentOS 8 サーバーを複製しました。

おもな使用ソフトウェアは、
Nginx, PHP 7.4(Remiリポジトリ), MySQL 8.0(MySQL公式リポジトリ), WordPress
です。

isdCentOS 8からAlma Linux 8への切り替えについて

CentOS 8 から Alma Linux 8 への切り替えは、Alma Linux公式のマイグレーションツールを使用しました。

(参考)
・almalinux-deploy
https://github.com/AlmaLinux/almalinux-deploy

・CentOS 8.3 を AlmaLinux 8.3 にしてみた – VA Linux エンジニアブログ
https://valinux.hatenablog.com/entry/20210422

マイグレーションツール (almalinux-deploy.sh) 実行時に発生した現象やわかったことは以下となります。

ツール実行ログは、標準出力と /var/log/almalinux-deploy.log に記録される。

実行後は、ログをひととおり確認しましょう。

dnf -y distro-sync コマンドで、CentOSリポジトリの全ソフトウェアパッケージが、Alma Linuxのソフトウェアパッケージの最新バージョンで再インストールされる。

CentOS とRocky Linux に含まれるソフトウェアのバージョンが微妙に異なるものがあるため、ソフトウェアによっては、アップグレードするものも、ダウングレードするものもあります。
今回のサーバーではこんな感じでした。

アップグレード  69 パッケージ
ダウングレード  32 パッケージ

 

EPELやRemiなど、サードパーティのリポジトリを追加して、リポジトリ設定 (/etc/yum.repos.d/xxx.repo) で enable=1 となっているリポジトリのソフトウェアも、dnf -y distro-sync コマンドにより自動アップデートされます。
enable=0 となっているリポジトリのソフトウェア自動アップデートされませんので、気になる場合は、別途手動アップデートするとよいでしょう。

マイグレーションツールの実行に32分かかった。

サーバーのスペックや、もともと CentOS にインストールされていたソフトウェア数によって変動すると思われます。
Rocky Linux へのマイグレーションツールのときは38分で、それよりは少し短いです。
Rocky Linux は、事前に dnf -y update を実行する分、少し違いが出るのかしれませんが、誤差の範囲ですかね。

マイグレーションツールの実行時も、WordPress Webサイトは閲覧できる。

これは CentOS の通常のソフトウェアアップデートと同様ですし、Rocky Linux への移行時も同様でした。
WordPress管理画面の操作など、MySQL DBへのアクセスも問題ありませんでした。

ただし、大量のソフトウェアパッケージの再インストールでCPU負荷が上がった(CPU Load Averageが3ぐらい)ため、Webページ表示のレスポンスタイムはかなり遅くなりました。
サーバーのCPU数がもっと多ければ、影響は少なかったかもしれません。

マイグレーションツール実行後、OSを再起動すると、完全にAlma Linuxに切り替わる。

一部ソフトウェアは、reloadやrestartがかかって、Alma Linux に置き換えたあとのプロセスが起動しているようですが、カーネルなど、CentOS で起動したプロセスが残っているので、OSを再起動したほうがよいでしょう。

Alma Linuxへの切り替え後、WordPress Webサイトの動作は変わりなく、全く問題ありませんでした。

isdまとめ

マイグレーションツールを使用した CentOS 8 から Rocky Linux 8 への切り替え時に発生した現象やわかったことなどをまとめました。

Rocky Linux と Alma Linux では、マイグレーションツール、移行後のサーバーの状況とも、ほとんど違いはありません。
あとは、

  • アップデートリリースの対応の早さ
  • 今後安定して運営されそうか

などを基に、お好みで選択するとよいでしょう。

(関連記事)
・CentOS 8のサポート期間短縮について
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20210202/centos8-support-cut-short.html

・自社WebサーバーをCentOSからRocky Linuxに移行しました。
https://inaba-serverdesign.jp/blog/20210909/migrate-from-centos-to-rockylinux.html
 

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