GCPUG Sapporo #1に参加しました。
11月7日(土)、Google Cloud Platform(GCP)のユーザーグループGCPUGの札幌開催第一回に参加しました。
・GCPUG Sapporo #1
https://gcpug-sapporo.connpass.com/event/21160/
自分がとくに気になったポイントをまとめておきます。
GCPとは?&GCP入門 株式会社トップゲート Shingo Ishimuraさん
GCPに関する基本的な説明がありました。
次々と新しいサービスがリリースされていて混乱しそうになりますが、「AWSの○○に相当する」、と考えると理解しやすいですね。
- リージョンまたぎ通信もGoogleの専用線を通る。インターネットは経由しない。
- SLAはリージョン単位。
- asiaリージョンのデータセンターは台湾にある。
- Google App Engine(GAE)は自動でゾーン間フェイルオーバーする。
- Google Compute Engine(GCE)は1ヶ月以上の利用で自動的に安くなる。
- Google Cloud Storage(GCS)は、Amazon S3に相当するオブジェクトストレージサービス。
- Google Cloud SQLは、AWS RDSに相当するRDBサービス。
- やや遅く、上限は500GB。
- Webサービスでは、1IDあたり1インスタンスという使い方も。
- BigQueryは利用者が多い。
- AWS EC2からfluentd pluginでBigQueryにデータを流すケースも多い。
- →AWSの転送料金がかかるので、EC2からGCEに移行するケースもある。
- HTTP Load Balancerはリージョンまたぎの負荷分散が可能。プレウォーム不要。
- Network Load BalancerはTCP/UDPの負荷分散が可能。
Google Cloud Platformの謎テクノロジーを掘り下げる グーグル株式会社 佐藤一憲さん
Google佐藤さんからは、DeepDive的な少し深いところの説明がありました。
- GCPのサーバー、データセンターは、Googleが提供するYouTube等のサービスと共用である。
- サーバーのボード、コントローラーやスイッチ、ソフトウェア等すべて自作。
- グローバルネットワークは、海底ケーブルを含め、ファイバーケーブルをすべて自社で敷設している。
- GCEのゾーン間ネットワークスループットは、iperfで9Gbps。(CPU 8コア、16コアのサーバーで)
- グローバルなプライベートN/W構成が可能。ゲーム等、他のクラウドサービスからGCPへ移行する事例も。
- BigQuery
- Wikipedia 100億行の部分一致検索を11秒で。
- 1TBのデータを1秒以内にフルスキャン。
AWSヘビーユーザがGCPで色々やってみた結果 ジグソー株式会社 照井将士さん
AWSのユーザーグループJAWS-UGのスタッフでもある照井さんは、ユーザーからみたGCPとAWSの使い勝手の比較について発表されました。
簡単にまとめると
「GCPは、細かい認証・権限まわりの機能が少ない、とくにAPIごとの権限管理ができない点が気になるが、サーバーは早い・安いで、管理画面のU/IやAPIに統一感があり、エンジニアにとっては気持ちよく利用できるサービスである。」
という内容だったと思います。
開発効率や運用の面で、「エンジニアが使いやすいかどうか」は重要なポイントですね。
GCP事例 吉積情報株式会社 吉積礼敏さん
吉積さんからは、自社の事例紹介がありました。
フロントはAppEngine(GAE)で、必要に応じてCompute Engine(GCE)を使う、
ファイルはCloud Storageに保管、ログはBigQueryに保管、というパターンが多いとのこと。
WordPressサイトを、GAE+CloudSQLで実現することもあるそうです。
自社ブログで、「BigQuery入門」や「AWS vs GCE vs Azureのベンチマーク」の記事が人気とのことで、要チェックです。
・apps-gcp
http://www.apps-gcp.com/
吉積さんからは、HTTP Load Balancerを利用したリージョンまたぎフェイルオーバーのデモもありました。
LT: BigQueryの話 システムデザイン開発株式会社 池土裕晃さん
BigQueryにデータを投入、検索実行してみたお話。
サンプルの20GBの出生率データの検索が1.5秒でできた、とのこと。
感想
僕自身は、GCPは1年ほど前に無料枠で試してみて、GCEの操作感を確認したりベンチマークをとったりしたあと、全然使っていませんでした。
しかし、今回の発表で、機能がたくさん増えたのと、管理画面がかなり洗練されて使いやすそうになっていたことに驚きました。
日本のお客様ですと、日本にデータセンターがないことを懸念されるかもしれませんが、仮想サーバーのコストパフォーマンスがよさそうですし、レイテンシをそれほど気にすることはないように思います。
個人的には、今年の下半期はとくにAWS案件が増えてきた印象がありますが、クラウドサービスの選択肢が増えるのはよいことですね。
またGCEやBigQueryを使って実験してみようと思います。